髙橋渉 近影

先輩たちにインタビュー

1996年入社 監督 / 髙橋渉

思い通りにはいかないこともあるし、
つらいこともある。
けれど、
おもしろい作品が完成したら
苦労もふっとぶのです。

もともと映像の編集に興味があり、映画制作の専門学校で学びました。その学校の講師に紹介されシンエイ動画へ。アニメ業界を志望していたわけでもない私が、まさかこんなに長く勤めることになるとは・・・・・・。

新人として配属されたのは制作進行です。外部のスタジオに依頼したカットを持ち帰り、演出や作画監督らにチェックしてもらい、リテイクがあれば戻して・・・といった仕事に4年ほど携わりました。そのうちに演出を教わり、やがて絵コンテも手掛けるように。劇場版の監督を務めたのは入社15年目のことでした。

監督のやりがいは、自分の思いをかたちにできることです。もちろん私の手掛けてきた『クレヨンしんちゃん』には原作があるので、作品自体が持っている大事なものを置き去りにはできません。しんちゃんはギャグアニメです。まずはお客さんを笑わせないといけない。それだけでなく、人間って愛しいよねという視点もある。そこを忘れないようにして、ずっと作品を作り続けてきました。

1本の作品には、本当に多くのスタッフが関わっています。監督として作品をよくするために、スタッフに対して無茶な要求をするときもあります。いつも思い通りに行くわけではありませんし、お互いにつらいこともたくさんあります。それでも、おもしろい作品が完成したら苦労もふっとぶのです。個性もモチベーションもばらばらな人たちが集まって一つの作品を作るというこの仕事自体がエンターティメントだなと感じています。

映画の場合、スタッフには1年くらい関わってもらうことになります。それだけの時間を費やしてくれたクリエイターをがっかりさせたくない。「この仕事をやってよかった」とスタッフに思ってもらえる作品にすることも、監督の大事な仕事だと思っています。

監督に必要な素質は、自分の中に伝えたいものや表現したいものを持っていること。私は、漫才師にあこがれていた子どもの頃からずっと、人を笑わせたいと考えていました。そんなふうに揺るがない芯のようなものがあれば、この世界で長くやっていけるのではないでしょうか。

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