今村洋輝 近影

先輩たちにインタビュー

2013年入社 演出 / 今村洋輝

経験を積み重ねてわかったこと。
「このシーンではここを見せたい」、
というねらいにそって
絵コンテを描く。
その過程はどの作品でも同じです。

高校生のときから深夜アニメを見始め、とくにおもしろいエピソードでは「誰が演出をしているんだろう?」とスタッフリストまで気にかけるようになりました。そのうちに将来はアニメの演出をしたいと考え、地元関西にある大学のアニメ専攻に進学。子どもの頃から『クレヨンしんちゃん』が大好きだったこともあり、シンエイ動画に就職しました。

演出を志望する人は、まず制作進行か動画からスタートします。私の場合、動画からスタートして4年間作画業務に携わりました。その期間は無駄になっていません。動画で経験したことのすべてが、いま演出の仕事に役立っています。アニメ制作の現場において、動画は後工程のセクションとなります。そこでどれだけの人たちが、どれくらいの時間をかけ、どんな作業をしているのか、身をもって知ることができました。また、さまざまな人の描く原画を見ることもとても勉強になりました。

入社5年目、『クレヨンしんちゃん』に演出助手として携わりながら、修行として絵コンテを描くようになりました。過去に放映されたお話からシナリオを選び、自分ならどう演出するかを考えてコンテを描くのです。監督にチェックしていただき、指摘された部分を修正。その繰り返しの中で、軸となるショットを見せるために前後のカットでつないでいく、という技術を身につけていきました。

あるとき先輩に「これまでの担当と違う作品のコンテを描くことになったとき、戸惑いはなかったですか?」と質問したら、「え、そんなに変わんないよ」と返ってきて驚いたことがあります。当時は「そんなわけないだろう」と思いましたが、いまならわかります。「このシーンではここを見せたい」というねらいにそって、フリとオチをつくっていく過程はどの作品でも同じだからです。経験を積み重ねて、そう思えるようになりました。

とは言え、ずっとギャグやラブコメを中心に演出してきた私が、いきなりアクションアニメの絵コンテを描くのは難しいと思います。どうすればアクションが映えるのかという引き出しが、自分の中に足りていないからです。アニメ制作会社で演出を目指す皆さんは、人間に興味を持つことを心がけてください。いろいろな人と接することは、皆さんの感受性の引き出しを増やすことにつながります。それが将来、キャラクターを動かすときに役立つでしょう。

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