樋上あやめ 近影

先輩たちにインタビュー

2020年入社 作画 / 樋上あやめ

アニメーターは、
考える力が必要な仕事。
自分で課題を見つけて解決していこう
という意識が大事なんです。

子どもの頃からディズニーなどのアニメが大好きでした。アニメを見て感動する、ということに感動して、自分も誰かの感情を動かせるような仕事がしたいと考えるようになりました。シンエイ動画を選んだのは、子ども向けアニメを作っている歴史ある会社だからです。『ドラえもん』は家族で見ていましたが、正直『クレヨンしんちゃん』をしっかり見たのは会社に入ってからですけど(笑)。

入社後は動画に配属されました。新人は簡単なカットから任され、徐々にレベルに合わせて難しいカットも回ってきます。すぐに壁にぶちあたりました。思うように描けず、でも締め切りが迫ってくる。目標枚数にも届いていない。とにかくやるしかありません。いっぱい描いて、いっぱいリテイクをもらい、反省して次に活かす。リテイクはめっちゃへこみますが、その日だけへこんで、翌日にはまた机に向かいます。その繰り返しでした。先輩が描いたほうが早いはずなのに、辛抱強く、丁寧に見ていただけたことはありがたかったですね。

入社当時から原画になれたらと思っていました。けれど漠然と原画になりたいって考えていても「いつなれるんだろう?」とそればかり気にしてしまいます。「ただ原画になりたいってことだけじゃなく、いい原画マンになることを考えてほしい」と先輩に言われて気がつきました。自分にはまだ足りていないところだらけだと。何年かかってもいいから、いい原画マンになるための努力をしよう。そのように考えを改めました。

入社5年目で原画にステップアップし、いまは『クレヨンしんちゃん』のテレビシリーズを担当しています。動画のときからわかっていたつもりでしたが、想像していた以上に原画は考えることの多い仕事です。演技もカメラも配置もポーズも、全部考えて描かないといけない。キャラクターがただ立っているだけのカットでも、どこに力が入っているのか、あるいは抜けているのかを判断するのが難しくて、毎回めちゃくちゃ悩みながら描いています。

アニメーターは、自分で考える力が必要な仕事です。先輩たちは丁寧に指導してくれますが、なんでもかんでも教われるわけではありません。自分で課題を見つけて解決していこうという意識が大事なんです。また先輩たちもそれを期待しています。動画を担当していたときは「守られている感」がありましたが、原画になったいまはこれまで以上に自分の力が問われます。キャラを動かしたいっていう思いは入社以来変わっていません。自分だけの動きを見つけ、この先もずっと描き続けていきたいですね。

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