アニメ あたしンち
スタッフ
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アニメ あたしンち 第6回 撮影監督 箭内光一 氏
年齢が近いせいでしょうか。「父」にとても親近感を持っています(笑)アニメ あたしンち 第6回 撮影監督 箭内光一 氏

私は、アニメーションの原画を映像にしていく撮影を担当しています。彩色された動画と背景を、コンピュータ上で合成して映像素材にしていくというもので、その中には、特殊効果の仕事も含まれます。わかりやすいシーンでいえば、朝日や夕日の場面がそうですね。そうそう、岩木くんがみかんの前に現れるとき、キラキラ後光が差していたりするでしょ(笑)。これも特殊効果なのです。

今やアニメ制作においては、デジタルの技術は必要不可欠ですが、「あたしンち」の中では、日常表現のリアルさを大切にしたいため、デジタルっぽくならないように、特殊効果やCGのさじ加減にはとても気を使っています。
アニメ「あたしンち」は、7年前のスタート当初から関わっています。登場人物に対する印象は、「母」は、とにかくインパクトあって強烈なキャラクターでした(笑)。「みかん」は、よく母に「これ、やっといて!」といった感じで、押し付けてしまうシーンがあるでしょ。

あれを見ると、「自分でやれ!」と言いたくなるときがありますね(笑)。ユズヒコは、メンツが先に立ち言いたいことが言えなくなってしまう面も持っている男の子ですね。「父」は、一見やわらかそうに見えて頑固。

この中であえて、好きなキャラクターをあげるとするなら、「父」です。理由は…、歳が近いからでしょうかね。だから、「みかん」に対しても、「自分でやれ!」って、きびしいことを言いたくなってしまうのかな(笑)。

これまでにオンエアされた中で印象に残っているのも、「父」のシーンです。「父、帰る」(第252回)で、ほろ酔い加減の父が、電車を乗り過ごしてしまい、家まで歩いて帰ることにするのですが、道に迷ったり、ラーメン屋でビールを飲んだり、公園で居眠りしたり、結局、家に辿り着く前に夜明けを迎えてしまうんです。それでも家を目指し歩いている時に、もくもくと湯気が出ている豆腐屋さんの前を通りかかる。中をのぞくと朝早くから仕事をしているお店の人の姿があって、そこで、父が頭を下げながら言うんです。「ごくろうさんです」って。このシーン、好きですね。豆腐屋さんから出ている湯気もまさに特殊効果の仕事で、大好きな「父」のシーンで自分の腕試しができたので、このシーンは、尚のこと印象深く残っています。

プロフィール
箭内 光一(やない こういち)
アニメ仕上げ、撮影会社ライトフットの撮影主任。「あたしンち」、「ぼくの防空壕」、「焼跡のお菓子の木」、「ふたつの胡桃」、「キクちゃんとオオカミ」、「河童のクゥと夏休み」の制作に関わる。

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