これまでアニメに限らず、いろいろな作品の脚本を書かせてもらいましたが、7年目に入ったアニメ『あたしンち』は、私の中では実は最長のお仕事なんです!(笑)
長く続く大変さもありますが、まだまだこんなネタがある、こんなテーマを追求してみたい、そんなイメージが今でも膨らみ続けている作品です。それは、アニメ『あたしンち』が、日常の小さな発見や共感がいっぱいつまった作品だからだと思います。そのあたり、他のアニメ作品とは違う『あたしンち』の魅力のひとつじゃないかな、と。
登場人物の中で、お気に入りは?と聞かれると、ひとりを選ぶのは、うーん、むずかしいですね…。これだけ長年お付き合いさせてもらっていると家族のようでもあり…家族の中でいちばん好きな人を選ぶというのは…(汗)ただ、とてもいいなぁと思っている関係は、お父さんとお母さんの夫婦仲。お母さんは、家族に対して「愛」にあふれた人。お父さんのことも、なんだかんだ言いながら大好き。旦那様としても、とても立ててますよね。お父さんは、なかなか自分の気持ちを表現しないけど…。あ、ありますね。第49話(寝顔、スヤスヤ…)で、お母さんがいろんな夢を見てて寝顔がいくつも変わるシーン(笑)。そこで、お父さんはお母さんの顔をのぞきこんで「クスッ」と笑うんです。いいですよね〜。
私の家族と重なって見えるところでは、みかんとユズヒコの兄弟関係。私にも弟がいますが、弟への思いや接し方に、みかんと共通する部分がありますし、逆に、弟は私のことをこう思っているのかな?というのを、ユズヒコのセリフや行動から気付かされることもあります。
カップリングの面白さでいえば、お父さんとユズヒコかな。ですが、これが難しくもあるのです!二人のシーンで、こんなとき、お父さんは、ユズヒコは何て言うんだろう!?って。特に名言の多いユズヒコですから(笑)。脚本の打ち合わせでも、みんなで議論しています。ちなみにスグに思い出せるユズヒコの名言は、食事をしているお母さんを見て「顔で食べてるって感じ」というセリフかな(笑)。
家族4人が絡んだシーンで印象に残っているのは第14話(真夏の夜の…っ)。停電のせいで家族そろってファミレスに出かけ、一家がいつになくまとまる場面がありますよね。あれも、よかったですね〜。タチバナ家は高校生の娘や中学生の息子がいる家庭ですから、基本的に4人で行動するという場面は少ないのですが、今後は「家族がともに行動する」をテーマにしたお話も出来たらいいなと思ってます。
そうそう、ここだけの話ですが、新キャラクターも登場しますよ!しかもお父さんのお友達!このキャラクターが強烈なんですよ〜(笑)。まだまだ先のオンエアになりますが楽しみにしててください。それから、最近ご無沙汰しているキャラクターたち、例えば春山ふぶきちゃんたちなども登場させたいと思っています。
これからも目が離せないアニメ『あたしンち』ですよ。どうぞお楽しみに!
高橋 ナツコ(たかはし なつこ)
物心ついた頃からアニメ・漫画にハマり現在にいたる。主な作品は「あたしンち」(シリーズ構成)、「ドラえもん」、「ヤッターマン」(シリーズ構成)、「逮捕しちゃうぞ」(シリーズ構成)「もやしもん」(シリーズ構成)、「西洋骨董洋菓子店」(シリーズ構成)など。
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